2019.04.13 Saturday
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宇都出ブックセンター本が大好きな宇都出雅巳(まさ)が、本の紹介をしています。
2011.04.13 Wednesday
属国・日本論
大学時代はコメの自由化論争や、チェルノブイリ原発事故に端を発する反原発やエコロジー運動に関心をもって、少しはかかわりました。 しかし、「社会人」となって就職すると、社会に広く関心を持つどころか、「会社人」として会社、さらには個人というように、どんどんと範囲が狭くなっていきました。 反原発のデモに参加しながらも、東電や政府ばかりを悪者にして、自分たちが清く正しい存在のようになることへの違和感がありました。 企業や政府を批判するだけでなく個人の自覚を求める「ディープエコロジー」 に救いを求めたからかもしれません。 経済記者として銀行などの戦略性のなさや組織の問題点を批判しつつも、振り返って自分の会社がちゃんとしているかというとそうでもなく、記者をやめて、社内の組合活動や新商品企画にたずさわったりもしました。 コーチ養成の仕事をしましたが、自分自身はコーチとして自立しているのかと考えると、コーチというより、コーチ養成業・研修講師のようになっている自分にきづき、コーチ養成の仕事を離れたりもしました。 そして、結婚し、子どもが生まれると、自分自身の奥さんや子どもとの関係やコミュニケーションはどうなの? と思い、仕事よりも、家族のほうに意識や時間を使っている自分がいます。 なので、本を読むにしても、本書のような、国際政治や経済を扱った本はほとんど読んでいませんでした。 読んだきっかけは、原発関連のニュースをネット検索していて、行き当たった次のサイトです。 http://www.snsi.jp/tops/kouhou/1492 3月末に本書の著書である副島隆彦さんが、福島第一原発近くまで行って、放射線量を実際に測った記録と写真です。 ニュースではこんなことはまったく報道されていないので、とても新鮮で、その行動力に感服したのです。 そして、その主著として本書が紹介されていたので、どんな人なんだろうと読んでみたわけです。 まともな本で、いろいろと気づかされました。 まずは、タイトルにもなっている「日本はアメリカの属国である」という主張。 「属国」という言葉はかなり刺激が強いにしても、実際、「日米対等」と本当に思っている人は少ないでしょう。。 「日本はアメリカの属国である」。 もちろん、それがいいとか、そこに甘んじるのは嫌ですが、ここからスタートしたほうが、より、現実がよく見えて、地に足のついた対応できると思います。 そして、もう一つ大事な視点が、普天間基地問題のときもそうでしたが、「日米関係」「日米関係」と、この二つの国の関係でしかものを考えられないこと。 アメリカから見れば、日本はたくさん付き合っている国の一つにすぎず、日米関係だけを考慮に入れて考えているわけではありません。よく考えれば当たり前のことです。 ただ、この当たり前のことが当たり前でないなあと、自分もあらためて感じました。 アメリカからみて、日本が多くの国の中の一つに過ぎないのと同じように、日本からみても、アメリカは付き合っている多くの国の中の一つに過ぎないのですが、実際にはそうとは感じていないからです。 普天間基地の問題であれば日米関係、尖閣諸島の問題であれば日中関係というように、われわれは、その当事者の相手国だけしか考えていないように思います。 これを読んでいるあなたもそう考えていませんでしたか? でも、実際には多くの国との関係の中で、自国がどう進むのかを考えて、どんな問題でも考えるのが真っ当なのは当然です。 日本はそれができていないのです。 これはかなりまずいですね。 さて、このことがよくわかるのが、本書の中にある 「なぜ佐藤栄作元首相はノーベル平和賞を受賞したのか?」 佐藤元首相は非核三原則の制定などを理由にノーベル平和賞を受賞したわけですが、当時も「なんで?」と思う人が多かったようですし、今もそうでしょう。 特に、最近になって、核持ち込みの密約が明らかになったこともあり、よけいにそれは強くなっているでしょう。 しかし、本書では「十分受賞に値した」と評価しています。 それはなぜか? |
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