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市民科学者として生きる (岩波新書)
本の原稿の締め切りが迫っているにもかかわらず、今日は朝からボォッとしています。

昔、出版社で記者をやっているときもそうでしたが、こういうときはついつい、書いている原稿とは全く関係のない本についつい手が伸びてしまいます。

ふと、久々に、私が尊敬する人の一人である高木仁三郎さんの事実上の遺書・『市民科学者として生きる』を手にとって読んでいました。この本を読むのはもう50回めぐらいになるでしょう。いつも勇気付けられ、励まされます。

高木仁三郎さんを知らない人も多いと思うので、昔、メルマガ「週刊 宇都出マガジン」に書いた文章を最後に載せておくので読んで見てください。



何度、何十度と繰り返し読んでいる本ですが、読む私自身が変化しているために、「へえ、こんなことが書いてあったんだ」とか「そうそう。高木さんもそうだったんだ」と驚いたり、感動するところが変化してきます。

今回は、高木さんがドイツで研究していたときに、ドイツの哲学者・ハーバーマスの『認識と関心』を読んで、興味を持ったという話に惹かれました。これまで読んだときには、全然引っかかってこないところでした。

ハーバーマスについては、社会学を勉強していた友人から勧められたことがあって、解説書を何冊か読んだことがありましたが、あまりわからないままでした。ただ、どこかで気になっていたのか、今回はグッと引かれ、一度、ちゃんと読んでみようと、さっそくアマゾンのユースドで注文しました。こんな出会いが、また次の扉を開けてくれる可能性があるので、本を読むこと、しかも何度も何度も読むことはやめられません。

また、今回は第5章「三里塚と宮沢賢治」の最後のところに書かれている、高木さんが市民の中に飛び込んでいくために、都立大学の教官の職を辞するかを悩み、いろいろな人から慰留を受けるところに惹かれました。これまで、あまり強く惹かれるところがなかった部分です。

これも私自身、CTIジャパンというコーチ養成機関のリーダーとして、2年あまりコーチを養成する立場にいて、これからどうするかについて考えている時期だからこそ、引っかかったのだと思います。

『速読勉強術』でも書いていますが、読書は本と読む人の共鳴現象です。本が独立してあるのではなく、読む人との協働作業で本が「立ち上がってくる」のです。読む人によって、「立ち上がってくる」内容も変わってきます。それをまた実感しました。

それにしても、この高木仁三郎さんや、田中正造先生、吉田松陰先生などの生き方を見ると、自分に言い訳ができません。うーーん。

それでは、最後にメルマガ「週刊 宇都出マガジン 第16号」に書いた高木仁三郎さんについてのコメントを書いておきます。

 「高木仁三郎」って知っていますか?
原子力の科学者・技術者であり、原子力発電に対する反対運動を引っ張り、2年3ヶ月ほど前に亡くなられた方です。

私がその生き方を尊敬する人の一人です。

高速増殖炉もんじゅの設置許可・無効判決のニュースを聞いて、高木さんのことを思い出しました。今週号のタイトルにした「あきらめから希望へ」は、高木さんが好んで使われていた言葉です。

私が高木さんの姿を直接見たのは、15年近く前の1988年4月に東京・日比谷で行われた反原発全国運動集会です。この集会は四国の伊方原発の出力調整実験に反対するために行われた、と記憶しています。

高木さんはこの集会の事務局長でした。私はそのころ大学生でしたが、コメ自由化論争が行われていた時期で、農業問題やエコロジー運動に関心を寄せていました。何度か、反原発のデモにも参加しています。

そのころは、反原発といってもまだまだ一般的には知られていませんでした。1986年に旧ソ連のチェルノブイリ原発が世界を騒がせましたが食品汚染が問題となった程度で、原発自体の論議にはあまりなりませんでした。

原発問題がテレビのニュースや新聞・雑誌で報道されることはめったになく、広瀬隆氏の「危険な話」や、それを読んだ主婦の方が書いた小冊子・「まだまにあうのなら」といった本で伝わる程度でした。

しかし、この1988年の集会はかなりの参加者を集め、テレビのニュースでも報道されたことを覚えています。この集会のなかでデモ行進もありましたが、そのときに高木仁三郎さんの姿を見ました。なにかとても静かで、少し遠くを見ているような姿がとても印象に残っています。

その後、私は大学を卒業し、働きはじめるなかで、反原発やエコロジー運動への関心は薄れていきました。高木さんの著作が出ると必ず読んではいましたが、遠い存在になっていました。

そんな存在が急に身近になったのが、私がニューヨーク留学中の1999年に日本書の本屋で買った「市民科学者として生きる」(岩波新書)という高木さんの本でした。

これは死を目前にした高木さんが、自らの人生を振り返って書いた本です。そこには、激しく、真剣に、本気で人生を生き抜いた人の言葉がありました。そして、明るさがあります。

「あきらめから希望へ」「希望をつなぐ」
今の私は「希望」という言葉に引かれています。高木さんの「市民科学者として生きる」(岩波新書)はお勧めです。原発に関しては賛否両論があると思いますが、それはさておき、その生き方を読んでみてください。

高木仁三郎さんの著書などについての詳細は「高木仁三郎の部屋」をチェックしてみてください。
| 宇都出雅巳 | 高木仁三郎 | 13:17 | comments(0) | - |
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