宇都出ブックセンター

本が大好きな宇都出雅巳(まさ)が、本の紹介をしています。
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脳はつぎはぎだらけ、けっこういい加減なもの

ここ最近の脳ブームで、脳にスポットライトがあたっています。

その多くは、いくらコンピュータをはじめ技術が進んでも、実現できない脳の素晴らしさを伝えています。

「しっかりと頭を使え!」

なんて、頭、すなわち脳を指差して言われたりしますが、私たちは「脳」は素晴らしく巧妙にデザインされたものだとイメージしていないでしょうか?

本書はそんなイメージをある意味、粉砕することを目的としてます。

脳の設計はどう見ても洗練されてなどいない。寄せ集め、間に合わせの産物に過ぎない。にもかかわらず、非常に高度な機能を多く持ち得ているというのが脅威なのである。機能は素晴らしいのだが、設計はそうではないのだ。

そして、面白いことに、そんな無計画さ、非効率さが、われわれ人間の感情や近く、行動を生み出しというのです。本書の副題にあるように、脳の進化が、愛、記憶、夢、さらには神をもたらしていったのです。

本書は次のような構成になっています。

 1章:脳の設計は欠陥だらけ?

 2章:非効率な旧式の部品で作られた脳

 3章:脳を創る

 4章:感覚と感情

 5章:記憶と学習

 6章:愛とセックス

 7章:睡眠と夢

 8章:脳と宗教

 9章:脳に知的な設計者はいない

このように、最初の3章ぐらいまでに、神経細胞の構造から脳の構成まで基本的な脳のなりたちが説明され、第4章から8章までの人間の基本的な特徴がどのようにして行われているのか? どのように生み出されてきたのかに迫っていきます。そして、最後の9章がまとめです。9章の最後にはこのように書かれています。

だが、進化の道筋がまがりくねっていたにもかかわらず、その場しのぎの対策だけで作られたにもかかわらず、我々はこれだけの思考力と感情を持ち得た、などと考えるのは正しくない。真実はまったくの逆で、進化の道筋が曲がりくねっていたからこそ、その場しのぎの対策の寄せ集めだったからこそ、われわれは今のような姿になったと考えるべきなのである。

「その場しのぎ」「寄せ集め」

脳がそうなんですから、われわれももっと「その場しのぎ」やいろいろと「寄せ集め」で仕事をしたり、人生を送ってもいいのかもしれません。すでに実際は、きっちりと計画的にやっているようで、よくよく調べてみれば、脳は「その場しのぎ」「寄せ集め」でやっているのかもしれません。

ただし、忘れてはならないことがあります。

それは、1つ1つは非効率で、その場しのぎで寄せ集められたものであっても、それが膨大な数があり、つながりあっているということです。

脳には1000億ものニューロンが存在します。そして、その1つ1つに、ニューロン同士がつながるためのシナプスがあります。そのシナプスの数は1つのニューロンあたり5000ほど。つまり、ざっと数えると、500兆ものシナプスが存在して働いているのです。

人間は個人主義の時代で、個々人の自己啓発ブームではありますが、脳の設計に学んで、「その場しのぎ」「寄せ集め」、そして「膨大な数」がつながりあうことを優先したほうが、結果的にはいいものが生まれるのかもしれません。

| 宇都出雅巳 | | 12:43 | comments(0) | - |
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