宇都出ブックセンター

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つながってつながって、それがビジネスを生み、お金を生む
タラ・ハント 津田 大介(解説)
文藝春秋
¥ 1,650
(2010-03-11)

 最近、ツイッターを始めました。140文字以内のつぶやきをアップするというやつです。

気にはしつつも、敬して遠ざけていましたが、先日、コーチ仲間に薦められて、始めてみました。

やってみると140文字なので、気楽に書けるのですが、「こんなの書いていいのかなあ」とか、悩んであまりつぶやけていませんね。

自分が書くよりも、ほかの人のつぶやきの量に圧倒されていました。私のつぶやきを読むという「フォロワー」がついていくのですが、知っている人のほかに、知らない人がどんどんとフォローしてくるわけです。しかも多くはビジネスアカウントです。

この大量のつぶやきとどう付き合っていけばいいのか、また自分が何をどうつぶやいていいのか? まだまだ途方にくれているところです。

もともとは、気楽に「今なにしている?」というのをつぶやくところから始まったもののようですが……

さて、本書はツイッターをはじめとしたインターネットのソーシャル・ネットワーク(つながり)サービスが、どれぐらいパワフルで、これからビジネスを行ううえで大切かを解説した本です。

アメリカの事例ですが、これでもかこれでもかとたくさんの事例が出て、ビジネスにおいてツイッターなどのソーシャル・ネットワークサービスを利用する注意点などもまとめられたすぐれものです。

ソーシャル・ネットワーク・サービスを活用することで生まれる「つながり・関係性」と、ビジネスの価値、お金をつなぐコンセプトが「ウッフィー」です。本書の原題ももともとは「The Whufffie Factor」(ウッフィーファクター)。これは何かというと……
ウッフィーは、その人に対する評価の証と考えればいい。人に喜ばれるようなことをしたり、手助けをしたりすれば、あるいは大勢の人から尊敬され評価されれば、ウッフィーは増える。逆なら減る。ウッフィーの重みは、人とのつながりやコミュニティとのかかわりに左右される。
もともとは、SF小説『マジック・キングダムで落ちぶれて』(コリイ・ドクトロウ著 ハヤカワ文庫)で登場したものだそうで、ウッフィーを増やす方法としては、好かれること、つながること、一目置かれる、の3つである。 

このウッフィー。もちろん、現実の経済社会ではお金のほうが圧倒的な重要性を持っていますが、オンライン・コミュニティでは、人と人とを結ぶ最重要ファクターだといいます。お金と違って、与えれば与えるほど増えるほか、貯めておくには意味がなく、流通することによって価値が高まるという性質を持っています。

そして、ウッフィーがたまれば(貯めておくには意味がないとはかかれてはいるのですが)、自然とお金のほうが寄ってくるとして、このウッフィーに注目する、そして、そのためにツイッターをはじめとするソーシャル・ネットワーク・サービスを利用することを勧めているのです。

これまでの、そして現在のビジネスでも、「ウッフィー」とはいわずとも、人からの信頼だとか、人と人とのつながりはとても大事であり、それがお金を引き寄せることにかわりはありません。

ただ、これまでは広告などのマス媒体、マス・メッセージによるものだったものが、より個別に、よりパーソナルなメッセージのやりとりを効率的に行うことができる手段(これがソーシャル・ネットワーク・サービス)が出てきました。

これによって、人からの信頼、つながりの重要性が増すとともに、これらは育てやすく、しかもこわれやすいものになったという変化があるのです。

さて、それではどのようにすれば、このウッフィーを増やし、顧客を増やすことができるのか?

本書では8つの秘訣が紹介されています。

1)製品やサービスは、できるだけ幅広い対象に設計する。

2)コメントには必ず返事をする。否定的な返事でもよい。

3)批判を個人攻撃と受け止めない。相手はわざわざ時間を割いて改善すべき点を指摘してくれたのである。

4)有益な指摘やアイデアには公に感謝する。本人とってはうれしく、他のメンバーにとっては励みになる。

5)新機能や変更は必ず事前に知らせ、フィードバックを求める。

6)フィードバックを生かしてこまめに改善する。

7)フィードバックを待つのではなく、こちらから探しに行く。コメントやメールが来なくても、顧客は100%満足しているわけではない。

8)どんなに愛されている会社や製品でも、あら探しをする人は必ずいると覚悟する。
 情報が共有されたり、やりとりがオープンになるのは、個人的には大歓迎で、うれしい状態です。
ただ、ツイッターなどのツールばかりに意識が向いてしまってはおそらく、うまくいかないでしょう。

著者がいうように、土台は「ウッフィー」を増やすこと、信頼や尊敬、評価を得ることです。そのための5つの原則は以下のとおりです。

1)大声でわめくのはやめ、まずは聞くことから始める。

2)コミュニティの一員になり、顧客と信頼関係を築く。

3)わくわくするような体験を創造し、注目を集める。

4)無秩序もよしとし、計画や管理にこだわらない。

5)高い目標を見つける。
こうなってくると、これまでのビジネスでも、成功している会社が大事にしているところと一致してきますね。

そして、さらにいえば、まずは自分や自社が何者かを明らかにすること。ツールが何であれ、ウッフィーを増やすためであれ、これが大事になります。ウッフィーを増やすためのステップの最初にも、まず問われるのは次の質問です。

「あなたの会社は何をする会社なのか? それは誰のためのか?」

そして、さらには

「誰を対象にした事業か?」 「コア・カスタマーは誰か?」

「なぜあなたが事業をするのか?」「ライバル会社とのちがいはどこにあるのか?」

これらは、マーケティングの基本の問いですね。新しいツールができて、それに振り回されがちですが、ビジネスとして成功しようと思えば、まずは、基本のところをしっかりと自らに問いかけ、確立しておくというのが大事なのでしょう。

ただ、、本当に大きな変革、ブレイクスルーをしたいのであれば、ビジネスやマーケティングのことは忘れて、徹底的にのめりこむことも1つかもしれません。個人的にはそのほうが狂っていて面白いですね。

本書では、Tシャツのサイト、スレッドレス(Threadless.com)の社長・ジェイクとCEO・ジェフリーがかなりきています。
なぜみんなスレッドレスにハマってしまうのだろうか。たぶん、ジェイクとジェフリーがコミュニティにたくさんの時間とエネルギーを注ぎ込んでいるからだ。フォーラムに参加し、ブログを読み、コメントを書き、メールに返事を出し、イベントに顔を出す。できるだけ大勢と直接知り合おうと精力的に動き回るから、メンバーの多くが二人の素顔を知っている。二人はコミュニティと対話するというより、コミュニティの中で生きていると言う方が正確だろう。
「コミュニティの中で生きる」

ここまで腹を括れれば、とてつもない変化が起こるのでしょう。もしそこまで腹を括れなければ、これまでのマーケティングの延長で、新たなツールを使いこなすというところにとどまっているのが無難でしょう。
| 宇都出雅巳 | ビジネス | 15:11 | comments(0) | - |
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