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くたびれた中年になるか? それとも味のある中年になるか? そのカギが「皮むけ」
 私も43歳になり、名実ともに「中年」です。

昔、子どものころに、NHKの夜に「銀河テレビ小説」というドラマ枠があり、そこで「中年ちゃらんぽらん」という番組がやっていたのを覚えています。

確か、山城新吾さんがちゃらんぽらんな中年を演じていたような。。。「中年ちゃらんぽらん、ちゃらんぽらん。。。」という出だしで始まる主題歌が今も耳に残っています。

さて、中年になると「くたびれる」なんて表現もされますが、本書の冒頭ではこんな二つのパターンが示され、突きつけられます。

「年齢を重ねるごとにビッグになっていくひと」

「年齢を重ねるごとに干上がっていくひと」


うーん。私はどっちらなのだろう? 思わず考え込んでしまいました。

もしあなたも「中年」といわれる歳であれば、考えてみてください。あなたはどうでしょう?

この「中年」という時期は大きな分岐点にいるのかもしれません。C・G・ユングは、四十歳間際を「人生の正午」という、限りなく美しく、かつ寂しくもある言葉で形容した。人生の午前から午後への変極。成長から成熟への転換点が三十八歳〜三十九歳で、「四十歳から本当の個性化がある」と、ユングは言っている。

そして、著者は、ビッグになるか? 干上がるかを分けるものとして「一皮むける経験」を取り上げているのです。

もともとこの「一皮むける経験」は、アメリカのリーダーシップ研究で、「quantum leap experience」、直訳すれば「量子力学的な跳躍となった経験」ともいうのでしょうが、そんな経験の研究に触発されたそうです。さらに、ザリガニの脱皮を見たことで、「一皮むけた」という言葉を思いついたといいます。

確かに、「一皮むける」。これ大事だと思います。

何か、少しずつの成長というより、質的な変化というか、レベルが変わるような成長。

もちろん、そこには、少しずつの成長の積み重ねがあると思うのですが、それだけではなく、何か大きな壁や対象を乗り越えるような経験が必要なように思います。

あなたはこの「一皮むける経験」をどう思いますか? あなたにとっての「一皮むける経験」とは、何だったのでしょう?

もしかして、これからかもしれませんね。 「よし一皮むくぞ!」と思う人にとっては本書はそんな機会に気づき、出会ったときに立ち向かえる力を与えてくれるかもしれません。

いくつか本書で紹介されているキーワードを紹介しておきましょう。
 「覚悟と開き直り」  「ハードシップ(修羅場体験)」 「客観視、大局観でのレビュー」 「節目」 といったのが印象に残りました。

本書は「一皮むけた」経験を多くのビジネスパーソンにインタビューした結果をまとめたもので、なかには赤裸々な体験が紹介されています。そして、そこに見える共通点もまとめられています。その共通点とは、

1) 現実を直視する
2) 局面から逃げない


当たり前といったら当たり前ですが、なかなかできずにするすると逃げようとしがちなので、ほんと大事ですよね。 そして、コーチングというのは、このことをサポートするためにあるのかなとも思います。

最近、USのCTI(コーアクティブ・コーチングを伝えるコーチ養成機関)から、次のような問題提起がありました。コーアクティブ・コーチとは何をする存在なのか? 何者なのか? 特に、企業の中で行うコーチングにおいてどうなのか? という問いに対する1つの答えです。

”Co Active Coach is Transformative Change Agent”

直訳すれば「変容的な変化をもらたすエージェント」ということですが、意味するのは、さなぎが蝶に変わるような変化、成長をサポートする存在ということですね。 まさに、「一皮むける」のをサポートする存在とも表現できると思います。

そして、コーアクティブ・コーチングでは、さまざまな形で「現実を直視」します。

フルフィルメント・コーチングでは、自己制限的なサボタージュと向き合う。
バランス・コーチングでは、対象を明確にし、今いる視点の場を味わう
プロセス・コーチングでは、今この瞬間の感覚・感情を味わい、味わっていないものまでも味わう

そして、「局面から逃げない」という点では、

フルフィルメント・コーチングでは、「Radical Act」と呼ばれる、自分の価値観を最大限尊重しつつ、それをしかも現実の行動に移す
バランス・コーチングでは、「こうなったらいいな」という可能性の世界から、「自分がやる」というコミットメントの世界への決意を行う
プロセス・コーチングでは、避けているもの、未体験のものにあえて目を向け、耳を傾け、鼻を開き、味わい、触れていく

こう考えていくと、ビジネスにおいてコーチング、とりわけコーアクティブ・コーチングは、リーダー育成などの面において重要であることが見えてきますね。

ちょっと「コーチング脱線」しましたが、昨今の「スキル開発」「仕事術」ブーム(自分もその一端を担ってはいますが)で見落とされているところに気づかせてくれる本だと思います。

今はついつい目に見える、わかりやすいスキル・知識を身につけようという風潮ですよね。履歴書に書ける資格などを求めて、資格、試験、勉強ブームになっているのだと思います。(これまた私もその片棒をかついでいますが……)

そんな時代だからこそ、こういう目に見えないけれど大事な経験に向かっていくことが、実は大きな差をつくるように思えます。

よく、元大企業の管理職の人が転職の面接で「課長ならできます」と言うのが笑い話として語られますが、著者は、「一皮むける経験」とも絡めて、そこに積極的な意味を見出そうとしています。

こうやって本書を読んで、今ブログを書きながら、自分自身を振り返ると、転職をくり返し、今は組織を離れ自営業となっている自分は、「一皮むける経験」を避けてきたのでは?とも思ってしまいます。

私も、スキルや知識だけでなく、この「一皮むける」ことも自分の課題としていきたいと思います。

そして、もちろん、「一皮むける」ためには、他人の「一皮むける」体験を読んでも役に立ちません。逆に、ヒトの話を聴いたり、(本書を含め)本を読むことは、現実を直視せず、逃げていることかもしれません。なかなかやっかいなものです。

短期的、もしくは合理的に考えれば、「一皮むける」ような仕事や経験は、取り組むのを避けてしまいがちかもしれません。ある意味、考えずに、そして考えるのであれば、人生全体といった大きな視点から考えることで、やっと取り組めるものでしょう。 

とりあえず、自分の内なる声の赴くままに、そして周りの要望に応えるままに、一所懸命取り組むことから「一皮むける」のではないでしょうか?

本書で引用されていた、カメラマン(写真を焼く)からカワラマン(瓦を焼く)に転身された山田脩二さんの言葉が、あなたを気楽にさせ、進ませてくれるかもしれません。
「人生には三筋、四筋ある。ただそれが振り返ってみたら一筋だったというのが僕自身の美学じゃないかと思います。だからそこで筋を通したい。(でも、日本では筋を通すとうるさいこともあるので)あまり筋を通すと窮屈なんだ。三筋、四筋ぐらいに思っていて、最後にひと筋に見えればいいと思っています」
スティーブ・ジョブズもスタンフォード大学で行った有名な演説で、「Connecting Dots」という表現で、自分がやってきたことはすべてつながっているが、それは、それをやっていたときには、未来にそれがつながるとは分からなかったといっています。

振り返ってはじめて、そのつながりが見えてくるものです。

一見、関係ない、損になるようなこともあえて飛び込んでみる。

改めて、そんなことの大事さを気づかされました。
| 宇都出雅巳 | ビジネス | 10:40 | comments(0) | - |
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