宇都出ブックセンター

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「好きな仕事」でないとサバイバルできない
 『WEB進化論』の梅田望夫さんと『声に出して読む日本語』の斎藤孝さんの対談本です。

昔から吉田松陰が好きで、松下村塾には憧れのようなものを持っていました。

正式な藩の学校からではなく、一人の人間(しかも罪人)が無料で行っていたほんの小さな塾から、大きく時代を動かす人が現れたのは奇跡以外の何者でもないですね。

というより、「変革は辺境・周縁から」と言われるように、そういうものなのかもしれません。

で、「私塾のすすめ」です。

ただ、本書では何か具体的な「私塾」の形というのはハッキリと描かれているわけではありません。

そもそも、「私塾」というと私は松下村塾のような、ある一人の人が志をもって作る塾を想像していましたが、そうではないのかもしれません。

本書では、梅田さんや斎藤さんが主宰する「私塾」というような形も語られていますが、現代の「私塾」の「私」とは、学ぶ立場の個々人のことであり、個々人が目的意識をもって、インターネットによってアプローチ可能になった多くのリソースを使いこなしていくのが「私塾」なのでしょう。

そんな本書で特に印象に残ったのは、「私塾」には余り関係なのですが、次の言葉です。


  「好きな仕事」でないとサバイバルできない


「好きな仕事ではサバイバルできない」ということはよく言われますが、その逆なわけです。
 
なぜ、好きな仕事でないとサバイバルできないかというと、今はITやウェブなどで、いつでもどこでもいくらでも仕事できる環境なので、仕事に没頭できないと競争に勝てないからです。
とにかく、仕事の対象への愛情がないとサバイバルできない。いやいや仕事している、長時間やるのが苦痛だという仕事では、これからは競争力が出ない時代なのだと思います。
好きであれば徹底的に打ち込める環境ができたという意味では、いい時代になったといえますし、好きなことを仕事にしなくてはならないという意味では、厳しい時代になったともいえるでしょう。

だからこそ、「私塾」として自分から積極的に学びを取っていく姿勢でなければ、いけない時代であるわけです。

学びといえば、昔も今も欠かせないのがやはり、本であり読書。

本書でも、ふたりの読書論が書かれています。

梅田さんは、「心で読む読書」を掲げています。

本の中で、自分の励ましや生きる糧になる言葉を見つけていくといった読書です。
つまり「読書とは何か」と考えたときに、「知」というものを頭の中に入れ込んで記憶して、それを人に伝えるとかひけらかすとか、どっちが物知りか比べるみたいなことだと、グーグルにどうせ負けてしまう。ある程度の基礎力は必要だけれど、それ以上のところの読書の意味として「心で読む読書」を心がけて、自分の生きる糧として知を使ってほしいです。
頭の中に入った「知」は単なるデータベースではなく、それが人の見方・感じ方や生き方にまで影響を与えるので、単純にグーグルとの比較で知を頭に記憶することの無意味さを言うのは違うと思いますが、こういう視点は大事だと思います。

斎藤さんは梅田さんの意見に同意しつつ、そのための速読や音読の使い分けを言われています。
エネルギーを沸き立たせるための読書の時間というのが、僕の場合は非常に多いんですよ。僕の場合、速読はなんのためにやるのかというと、「見つけるため」なんですよね。見つけたところに関しては三色で線を引いたり、音読したりsちえ、じっくりとやる。なんでもかんでも飛ばし読みすればいいということはなくて、逆に、なんでもかんでも一行ずつ音読すればいいというわけではない。言葉との出会いを求めているわけですね。

速読が一般的になるにつれ、その弊害が言われて、速読か? それとも遅読・スローリーディングか? の二者択一で語られたりもしますが、同じ本を読むときでも、斎藤さんが言われるように両立するものです。様々な読み方を使い分けつつ、本と付き合いたいものです。

こうやって書いてみると、本書はやはり「私塾のすすめ」というより、いわゆる「勉強のすすめ」といった内容ですね。お二人のこれまでの勉強経験を語り合ったというところでしょうか。

| 宇都出雅巳 | ビジネス | 10:23 | comments(0) | trackbacks(0) |
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