宇都出ブックセンター

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時代が締め出すこころ
 ここ最近、アスペルガー症候群など、発達障害が話題になっています。

このブログでも何度かアスペルガー症候群に関する本について取り上げました。

 → 「アスペルガー症候群」とは天才・偉人のこと? それとも全員なのかも?

 → 
自分はアスペルガー症候群だったのかも(もしかして今も。。。)



これまでの記事でも書いてきたことですが、「アスペルガー症候群」といった病名で、自己理解が進むというメリットもありますが、それがレッテル貼りや、居直りにつながってしまう危険性もあります。


本書の著者は、精神科医として数多くの人と接してきた体験から、ここ最近の発達障害の一般化に伴って、何か異質な人を排除するような傾向につながっているのではないかと危惧しています。


本書には数多くの患者さんとの臨床例が書かれています。

どれも、スパッと解決するようなものでもなく、ブリーフセラピー(短期療法)のようにあっという間に治っていくものはほとんどありません。

著者自身が悩みながらもかかわり、患者さん、その家族もあれこれ悩みながら進んでいくプロセスが描かれています。


その中で、アスペルガー症候群にしろ、さまざまな発達障害は、その人だけの要因ではなく、その地域や属する組織の要因によって、問題となったりするといったことを指摘します。

そして、いわゆる「空気が読めない」ということにも疑問を投げかけ、発達障害ならではの個性にもエールを送っています。

「だが、私は空気が読めないのは悪いことなのだろうかと思う。広汎性発達障害の傾向を持つ人の持ち味は、変化球でhなく、真直ぐの力強いストレートにあると、私は思う。彼らは決してぶれず、自分のストレートで勝負を続けていく。そこに時代を切り開く力も秘められているように私は思っているのである。」


「ブレない」政治家を求める一方で、みずからはブレ続けている私たち。

アスペルガー症候群や発達障害を他人事、もしくは自分事としてだけとらえるのではなく、そこから人との関係、組織、社会についても考えていければと、より実りあるものになると思いました。


なお、本書では著者自身の高校時代での3つの旅の記録が書かれています。

その中で、伊豆のある玄米菜食の道場のようなところで3週間ほどいたということが記されていました。

実は私も大学2年から3年にかけて、伊豆にある玄米菜食の道場のようなところに通っていた時期があります。おそらく、著者が滞在していたところと同じところだと思われます。。。

そこでの体験、そして学ばれたところなど、自分が経験したことととても重なりました。

少し、この著者との距離が近づいた気がしました。


本書はノウハウ本でもなく、スパッとした解決策を提示してくれるわけではありませんが、何か生きること、コミュニケーションすることの意味や深さを味あわせてくれます。
| 宇都出雅巳 | セラピー | 06:46 | comments(0) | trackbacks(4) |
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