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「我慢」とは「現状に抗する力」
乱世を生きる 市場原理は嘘かもしれない
乱世を生きる 市場原理は嘘かもしれない
橋本 治

「勝ち組」「負け組」

こうやって、勝ち負けで分ける言葉はあまり好きではありませんでしたが、世の中では一気にこの言葉がブレイクしました。

「なんか違うな。。」と思うのは私だけではないと思いますが、そういうだけで、「負け組」の遠吠えのようになかなかいいにく世の中になっているのを感じていました。

そんなときに見つけたのが、橋本治さんの最新刊。

勝ち組、負け組という思考法をはじめ、われわれが飲み込まれている資本主義経済を、室町時代・戦国時代などの歴史を引っ張り出したり、わかりやすいような?わかりにくいような文章で、あぶりだしてくれます。

そして、

「経済」とは、ただ「循環すること」である

と言い切ります。

「お金」は単なる経済の一局面でしかない、と。

このあたりは、20年近くも昔に、大学時代に読んだカール・ポランニーの『大転換』などを思い出しますが、多くの人の最大関心事になりつつある「お金」や「経済」について、ふっと冷めた目でみることを許してくれます。

そして、自らのヴァレンタインチョコレートでの経験から、「物」や「お金」とは別に回っているものに注目します。

それは、「生きることが幸福でありたい」という感情です。


この感情こそが経済というものの本質であるというのです。

「人と人との間に感情が循環することによって、幸福な現実が生まれる。それが一人の人間の人格形成に大きく関与する。そしてその人間は、”経済というものは金銭的な損得とは別のものである”というこtも知る」−−こんな素敵な「経済」はないと思います。


後半に入るとわけのわからない部分も多くなりましたが、バブル経済時よりもさらに強く、「お金」が大きな存在を示している今、考えさせられる本でした。

また、印象に残ったのが、タイトルにもしましたが、「我慢」というもののとらえ方。

「我慢」というと、何かネガティヴなものにとられがちになっていると思います。

私がたずさわっているコーチングでも「我慢」というのは、できればやめていくのが常識かもしれません。

この「我慢」を橋本さんは、ポジティヴな見方でとらえなおしてくれました。

「我慢は現状に抗する力である」

我慢というと、ついついネガティヴなこと、なくしたほうがいいこととして考えがちですが、我慢から新しい道、生き方が開ける可能性を改めて知りました。



| 宇都出雅巳 | 社会学 | 22:59 | comments(0) | - |
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