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私のコーアクティブ・コーチングの先輩である加藤雅則さんの新刊『組織は変われるか』。
これは17年にわたる組織開発における、試行錯誤の軌跡と現時点での成果を赤裸々に公開されたものです。
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「絶対達成」シリーズで有名な営業コンサルタント・横山信弘さんの最新刊。
書名のとおり、まさに「絶対達成」の集大成ともいえる内容です。
「絶対達成」という言葉の起源に始まり、「絶対達成マインド」「絶対達成スキル」「絶対達成リーダーシップ&マネジメント」と心構えから具体的なスキルまでカバーされています。
「絶対達成」と聞くと、何かゴリゴリの厳しい精神論のように受け取られるかもしれません。私も最初聞いたときは、そんな印象を持ちました。しかし、『絶対達成』シリーズを実際読んでみて、極めて真っ当で納得できるロジックがあることに感銘を受けました。
しかも、そのロジックがいわゆる「机上の論理」ではなく、行動を土台にしたロジックであり、実践と結びついている、といいますか、結びつかざるをえないようになっています。
たとえば、
「今や世人が日本国運の隆盛を謳歌せるにあたり、余ひそかにおもえらく、日本は一の危機を通過して他の危機に迫りたりと。ただ今日は日本国民がほとんど全心全力を振い、驚くべき技倆をもって戦役の危機を通過して後、日浅きがゆえに、すでに早く別種の危機の眼前に来りたることを未だ意識せざるも無理ならず。かつ第二の危機は第一の危機と性質はなはだ相異なれり。戦争は壮烈にして一国の人心を鼓舞振作(はげまして勢いをふるいおこすこと)する力ありしも、今日の問題はすこぶる抽象的なり、はなはだ複雑なり、一見するところ平凡にして人を衝動するの力を欠く。これが解決に要するところは超然たる高明の先見と、未曾有の堅硬なる自制力とにありて、かの単純直接の先頭および犠牲のみのよく処理し得べきところにあらず。ゆえにあるいは僅少の識者これを洞観せるものあるべしといえども、目前の利害以上を見るの余裕なき大多数の輿論に対しては、いかんするも能わず、問題の解決はおろか、問題の何たるかを国民に告ぐることすら難きならん。今日、日本の要するところは実に反省力ある愛国心なり。まず明快に国家前途の問題を意識して、次にこれを処するに非常なる猛省をもってするにあらざれば、国情日に月に危うかるべし。」(P12〜13)
「余もまたもし日本の内地にあり、または満州居留の邦人間に住みしならば、あるいは一般の習気に化せられて、この説の羈絆(きずな・束縛)を脱する能わざりしならん。ゆえにこれに対しては多大の同情を表せざるを得ざるを覚ゆるなり。しかれども自国の内よりのみ自国を観るは易きことにあらず、ことに今日の日本のごとく国際間の地位激変したるものにとりては、これ全く為し得ざることなるがごとし。けだし我はただ国際社会の一新参者に過ぎず、我の外には清国あり、東洋あり、欧米列国あり。これを顧慮せずしてひたすら自国の利を主張する時は、たとい一時我に利あるがごとく見ゆることありとも、かえってややもすれば東洋を傷つけ、日本の前途を害するの悔いなきを保し難し。」(P125〜126)。
「仕事上相互に関わりあうことが多い職場は、仲間を助けること(支援)、組織のルールややるべきことをきっちり守りこなすこと(勤勉)、そして自律的に仕事のうえで創意工夫すること(創意工夫)を職場のメンバーに促す」(P3)
「規範を共有し、お互いの仲がよいといった閉じた共同体を意味せず、目標を共有し、仕事上相互に関わりあうように設計された職場」(P3)
「本書が想定する職場のコミュニティは開放的なコミュニティである。開放的なコミュニティは、固定的なメンバーによるコミュニティに根づいた規範や規律ではなく、流動的なメンバーによる相互の対話によって規律や規範が形成されるコミュニティである。」(P229)
「開放的なコミュニティでは、新しいメンバーを含め、常にそれぞれの価値観や主張が対話され、そこに規範や規律が生まれることになる」(P229)
「逆転共生の関係とは、ある程度まではお互いを高め合う関係にあるが、どちらかがある一定程度を超えてさらに強くなると、他方が弱体化しはじめ、両者は相反する関係になることを指す」(P51)
「あるレベルまでは自律を高めることが秩序を高めることにつながり、逆に秩序を高めることが自律を高めることにつながるが、秩序と自律のどちらかが一定レベル以上になると、逆に秩序を高めることが自律を抑制し、自律を高めることが秩序を破壊するといった関係である」(P51)
「活私開公は『私という個人1人ひとりを活かしながら、人々の公共世界を開花させ、政府や国家の公を開いていく』ような『人間−社会』観である」(P57 『公共哲学とは何か』(山脇直司著 ちくま新書)P37)
「組織的社会関係資本が閉鎖的な関係とそれによって蓄積される広範で弾力的な信頼をマネジメントの中心に置いたことに対し、協働的コミュニティでは同僚間の開放的な対話によって形成される内省的信頼をマネジメントの中心に置いたのである」(P91)
「おそらく日本社会は過去10年のどこかで回帰不能点を通過した。
この変化の最深部では、あの身体の『形而上学』をささえてきた身体感覚そのものが崩壊しはじめている。日本社会を200年以上にわたって支配してきた心情反射作用が、今やうすれつつある。『無邪気な個人主義』が浸透してきた結果、相手の感情に自動的に反応する能力をもたない個人が着実にふえてきているのである。」(P230 『近代・組織・資本主義――日本と西欧における近代の地平』(佐藤俊樹著 ミネルヴァ書房)P306)
適応的無意識の現代的な見方では、判断、感情、動機などの心の興味深い働きの多くが抑圧のためではなく、効率性という理由から、意識の外で起こる。心は、低水準の処理(たとえば、知覚過程)が意識に到達しないようになっているだけでなく、多くの高次の心理過程や状態もアクセスできないよう設計されているのである、心は、多くのことを同時に並行しておこなうことができる、よくデザインされたシステムである。(P11)本書はそんな適応的無意識についてさまざまな角度から光を当て、このわれわれ自身が知らない「もうひとりの自分」を明らかにしてくれます。
アトゥール ガワンデ
晋遊舎 ¥ 1,680 (2011-06-18) |
あなたは仕事の中で「チェックリスト」を使っていますか?
仕事の種類にもよりますが、ぜひこの本を一読してチェックリストを導入するかどうか検討することはお勧めです。
とはいえ、「チェックリスト」と聞いて、「そんな面倒くさいこと」と思う人も多いでしょう。
そんな心を見透かすように、この本の著者はこう書いています。
「私たちは、チェックリストを使うのは恥ずかしいことだと心の奥底で思っているのだ、本当に優秀な人はマニュアルやチェックリストなんて使わない、複雑で危険な状況も度胸と工夫で乗り切ってしまう、と思い込んでいるのだ。」
また、「チェックリストなんて初心者が使うもの」と思う人もいるかもしれません。しかし、チェックリストは熟練者を助け、その仕事の質を助けてくれるものでもあるのです。それはなぜか?
この本では外科医である著者が、そのホームグラウンドである医療現場のほか、巨大なビルの建設現場、ジャンボ・ジェット航空機の運転現場、さらには数億ドルの資金を運用する投資現場にまで足を伸ばし、生の話を紹介するなかで明らかにしてくれます。
「チェックリストは、熟練者を助けるためのシンプルで使いやすい道具なのだ。素早く使えて、実用的で、用途を絞ってあるという特性こそが肝要だ。だからこそ有効で、だからこそ何千人もの乗客の命を救えたのだ。」
「何千人もの乗客の命を救えたのだ」とありますが、チェックリストが多くの乗客の命を救った例として記憶に新しいのが、2009年の「ハドソン河の奇跡」です。これは、雁の群れと遭遇してエンジン停止した飛行機を、見事、ハドソン河に不時着水させて全員無事だったという事故?です。
覚えている方も多いでしょう。
この奇跡の陰にもチェックリストの存在があったのです。
私がNLPに出会ったのはもう15年くらい前になります……。なんて昔話をし始めると長くなるので、今回はやめておいてさっそくこの本の紹介をしましょう。
本書はNLPの開発者の一人であるリチャード・バンドラーによる3日間セミナーを物語形式でまとめたものです。
NLPの開発者はバンドラーともう一人はジョン・グリンダーという言語学者で、NLPには「メタモデル」をはじめ言語のモデルも数多くあるのですが、本書で紹介されるのは、バンドラーらしく、イメージ操作を多用した、わかりやすい演習ばかりです。
NLPのセミナーで参加者が「おお、これはすごい!」とびっくりする、まさにNLP!という手法で、自分が最初にNLPを学んだころを思い出して懐かしくなりました。
NLP初心者の人もかなり楽しめるでしょう。
たとえば1日目の演習として紹介されるのは、“サブモダリティ・チェンジ”の演習です。少々長いですが引用すると……
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仲谷 正史,筧 康明,白土 寛和
岩波書店 ¥ 1,365 (2011-12-07) |
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発達史からわかるのは、意識が三つのレベルで一生をいっそう生き甲斐のあるものにすることだと思う。意識ある生き物は現象的意識を持つことを楽しむ。彼らは自分が現象的意識を持って生きている世界を楽しむ。そして彼らは現象的意識を持っている自己を楽しむ。ただし、「楽しむ」という言葉は弱過ぎる。少なくとも人間の場合は次のように言うほうがふさわしいだろう。人間は現象的意識を持つことを満喫する、自分が現象的意識を持って生きている世界を愛する、現象的意識を持っている自己を尊ぶ、と。
NPO法人 ワンデーポート
明石書店 ¥ 2,100 (2012-05-31) |